思考が止まらないのは天才!?ギフテッドの思考回路で辛い子どものサポート術

 

ギフテッドの思考回路は想像力豊かで思考する脳のエリアが発達している分、考え込みすぎて頭がパンク寸前!ということも起こりがち。思考が止まらないのは天才!?とも言えますが、特有の思考が辛い時のサポートをお伝えします。
 

【目次】

1.思考が止まらないギフテッドの子は天才!?

 
 
「ギフテッドの子ども」というと、どのようなイメージでしょうか?
 
 
賢くて色々なアイデアが浮かんできて、プログラミングなども得意というイメージかもしれませんね。
 
 
実際、ギフテッドの子ども達は思考する脳のエリアがとても良く育っているため、思考回路が複雑で深く考えることが得です。
 
 
一見、思考が止まらないのは天才かも⁉と思ってしまいますが、子どもにとってはこのギフテッド特有の思考回路が辛いものとなっていしまいます。
 
 
我が家の息子もギフテッドの傾向があり、色んな物事を鋭く捉えて、イメージを膨らませて考えることがよくあります。
 
 
我が家の息子がギフテッドかも?と思った出来事はこちらです。
 
 
 
いつでも明るく楽しく過ごしてくれていればいいのですが、深く考えすぎることがデメリットになることもあるんです。
 
 
我が家の息子は一人で深く考えすぎて、何かすごく動いたわけでもないのに「はぁ…疲れた…」と、暗い表情でつぶやくことがよくありました。
 
 
その様子は本当に暗く、負のオーラを背負っているような感じです。家族以外へそんな表情を見せることはないのですが、常時そばで見守る親としては一緒に疲れてしまいそうな時もありました。
 
 
このような思考回路の状態が続くと、腹痛や頭痛、体の痒みなど身体症状がでてきてしまうこともあります。
 
 
 
 
超ネガティブな状況の息子に、「なんか嫌なこと考えてるんじゃないの?楽しいこと考えたら?」と伝えたところで、「いや、別に…」と返ってくるだけで自分の力で切り替えることはできませんでした。
 
 
このような様子が、ギフテッド特有の思考回路によって辛い状況になっているということになります。では、どうしてぐるぐる思考が起こるのか?お話していきます。
 
 
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2.ぐるぐる思考が起きるのはなぜ?

 
 
ギフテッドの子ども達は、善悪の意識が強かったり、完璧主義な傾向があったり、とても鋭く社会を見る目を持っています。
 
 
そのため、子どもの学びたいことと学習環境が合っていなかったり、友達との会話が合わなかったり、その子本来の考え方を伸び伸びと発言できるような居場所がないと、強くストレスを感じます。
 
 
ギフテッドはOE(感覚激動)の特性もあるため、喜怒哀楽がとても激しく悲しみや怒り等のストレスも強く感じる傾向があります。
 
 
強く感じたストレスは、「なぜうまくいかないんだ?」「また、良くないことが起きるかもしれない」と、ネガティブな感情になってギフテッドの頭の中を支配してぐるぐるとエンドレスに駆け巡ることがあります。
 
 
このぐるぐる思考は、とてもエネルギーを消費します。
 
 
嫌なことや不安がつのると、お母さんや身近な人に思いっきり話したりして発散できるといいですよね。
 
 
怒りや不安を言葉巧みに表現できるギフテッドの子ども達もいますが、我が家の息子は小さな頃から自分の負の感情を表現することが苦手な子どもでした。
 
 
また、感情をつかさどる脳のエリアが敏感で、他人の気持ちを考えすぎてしまい自分の気持ちよりも相手の気持ちに合わせてしまいやすいタイプです。
 
 
さらに、ワーキングメモリーという記憶を一時的に保持して出し入れする機能が、他の高い知能に比べると低いため、頭の中はどんどん嫌な情報でごちゃごちゃになってきてしまうのです。
 
 
この状況が、ぐるぐる思考です。
 
 
「なんでうまくいかないんだろう…」
「同じようなことが起こったらどうしよう」
「今度はこんな風にもっと悪いことが起きたら⁈」
 
 
と、悪いイメージを巧みに想像してしまい、ぐるぐる思考がとまらない!
 
 
 
 
どんどん悪循環にハマっていってしまうのです。
 
 
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3.特有の思考回路で辛い時にするアウトプット法

 
 
脳の中が色んな情報や感情でぐるぐるした思考回路になって「辛い」ときは、アウトプットすることが必要です!
 
 
ネガティブな感情をアウトプットするということは、嫌なことは聞き出した方がいいの?と思うかもしれませんが、感情をアウトプットすることが苦手な子どもに問いただすのは危険です。余計にぐるぐる思考が加速してしまいかねません。
 
 
子どもに負担が少なく、お母さんも実践しやすい方法をお伝えしますね。
 
 

◆体を動かす!

 
 
自分の気持ちを伝えることが苦手な場合は、まずは体を動かしていきましょう。
 
 
体を動かすことで思考がスッキリする効果があるんですよ。
 
 
お散歩、スポーツ、習い事など好きなことで大丈夫です。運動系が苦手なお子さんの場合は、料理をしたり、絵を描いたり、工作をしたり、プラモデルやロボットを作るなど、手先を動かしましょう。
 
 
 
 
ゲームやYouTubeがやめられないという場合でも、家族で一緒に話したり動きながら楽しむとアウトプットになりますよ!
 
 

◆推理して共感!

 
 
子どもが悩んでいる考え込んでいる様子を見ていて、悩みの内容に見当がつく場合ってありますよね。
 
 
「発表会が近いから不安なのかな?」「友達とこの間喧嘩してたな」等、一緒に過ごしているからこそお母さんにはピピっとくるものがあると思います。
 
 
そのように見当がつく場合は、
 
 
「もうすぐ発表会だね〜お母さん子どもの頃、失敗したらどうしようって毎日心配で心配で仕方なかったんだよね」と、子どもに響きそうな体験を話してあげましょう。
 
 
「あれ?不安なのは僕だけじゃないんだ。」
「誰でもそう思うんだ。」
 
 
と、内側に向いていた思考が「自分の気持ちに気づいてもらえていた」とお母さんの方へ向くようになります。すると、「実は結構緊張していて…」と話やすくなっていきます。
 
 

◆書く

 
 
自分の気持ちを少しずつ話せるようになってきた、または、話すのは好きじゃないけど書くのは好きという場合には、気持ちや出来事を書き出すとスッキリしていきます!
 
 
日記を勧めたり、交換日記をしたり、大きなホワイトボードで伝言をやりとりするなどもいいですね。
 
 
書くことが苦手な場合は、お母さんが書いてあげてもいいですよ!自分の感情を視覚で捉えるだけでもスッキリすることができます。
 
 

4.サポートで成長した息子の様子

 
 
色んなことを想像力豊かに思考できることは、ギフテッドの才能であり直す必要はありません。ただし、ネガティブな感情で思考がぐるぐるしてしまったら、是非スッキリできるようにお母さんが関わってあげてほしいと思います。
 
 
我が家の息子に関わっていく中で、息子は自分のぐるぐる思考のクセに気づき、頭が混乱してきたときには走り回ったり、ガムを噛んだり、呼吸法をしたりと自分が落ち着ける運動法を実行できるようになりました。
 
 
また、「こんなことで悩んでいるのかも?」と自分で気持ちを伝えてくれるようにもなってきました。
 
 
 
 
ここまでの道のりの中では、「そんなのやりたくない!」「僕は考えるのが好きだからいいんだよ」等、素直に応じてくれないこともありました。
 
 
ですが、そんな気持ちも否定せずコツコツと説明して誘っていくことで、自分の思考パターンについて気付くようになっていったなと感じます。
 
 
ぜひ、ぐるぐる思考で辛そうなお子さんがいたら、止めるお手伝いとして、お母さんがアウトプットの実践を提案してみてくださいね!
 
 
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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