こだわりの強い完璧主義な子が満足できるママのオリジナルな褒め方

 

子育ては千差万別、マニュアル通りの子育てなんてできません!発コミュの講座通りに対応してもなぜかうまくいかない?!と不安になることもあります。そんな時はお子さんの表情をよく観察して、我が子オリジナルの褒めから始めてみるのもアリです。
 

【目次】

 

1.就学前にふくらむ不安。決めた就学先で大丈夫だろうか?

 
 
我が家には特別支援学級に通うダウン症の娘がいます。
 
 
3つ上に姉がいることや知り合いのダウン症の子が「楽しく通えているよ」という話を聞いたりして、地域の学校の特別支援学級を就学先に選びました。
 
 
その時の困り事は切り替えが難しいこと。
 
 
朝のお仕度は進まず、お着替えも靴を履くのも全介助。毎朝叱りながら保育園に送り届ける生活を続けていました。
 
 
少し背伸びをした就学先を選択しましたが、成長すればそのうち落ち着いてくるだろう、できることが増えてくるだろう、そんな風に思っていました。
 
 
しかし、相変わらずお仕度が進まない状況に、年明け頃から「このまま入学して支援級でやっていけるのだろうか?」という漠然とした不安がどんどん膨らんでいました。
 
 
 
 
「ダウン症 切り替え」等で検索をするようになり、出会ったのが発達科学コミュニケーションです。
 
 
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2.発コミュ王道の褒めテクが通用しない?!

 
 
発達科学コミュニケーションを学ぶようになり、「褒める」テクニックをいくつも習得しました。
 
 
「これでもうこの子が自信をつけて自分でできることがぐんぐん増えるはずだ!」と喜び、 講座で学んだことを実践しました。が、
 
 
これがなぜか我が子には効果がない!
 
 
発コミュでは1つの行動に対して行動の始まりと途中でもこまめに褒めることで成功体験になるはずでした。
 
 
しかし、娘に行動の始まりや途中で声をかけると「あー(怒)」と言って癇癪。
 
 
行動を終えた後ですかさず褒めても癇癪。
 
 
 
 
最初は「まだ褒められ慣れていないから」と、イライラする気持ちを堪えて対応していました。
 
 
他の受講生さんが「3ケ月で子どもが自分からお仕度するようなりました!」とか「言葉が増えたんです!」と言っている様子を見ると、なぜうちの子は変わらないんだろう…?と落胆する毎日。
 
 
褒めると癇癪が出るので、褒めることが逆効果なのではないか…そんな気がして、娘が気持ちを切り替えた場面でも声をかけることができなくなってしまいました。
 
 
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3.娘に合わせた長期戦を決意

 
 
うちの子は発コミュが効かない特別なタイプ?
 
 
私がガミガミやり過ぎて、娘の脳がカチコチに固まってしまったのではないか。
 
 
これをほぐすには相当な時間がかかるのかもしれない、それならそれで腹をくくって長期戦に対応しようと気持ちを新たにしました。
 
 
まずは私の「やってほしい」気持ちは置いておいて、娘の気持ちが満たされる状況にただただ合わせること。
 
 
行動を起こしている時間は声掛けはせず、視界の端で捉えて、娘が満足する褒めパターンで対応しようと決めました。
 
 
また、待っている間に私の「まだかな、まだかな」のはやる気持ちが、私にも娘にも悪影響になっているのではないかと思いました。
 
 
理由は、待つ時間は思ったより長く感じるので私がイライラしてしまうこと、私のイライラが強まってくると娘は余計に行動を起こすまでの時間がかかることに気づきました。
 
 
そんな時の娘はうつむいていて表情も見えません。
 
 
娘が自分で切り替えようとする時に、私の存在や「期待と言う名の圧迫」を感じない距離が必要、と思いました。
 
 

◆娘の心地よい褒めパターンがわかってきた

 
 
私の距離感と娘の表情を捉える観察で、だんだんと娘が心地よいと感じる褒めパターンがわかってきました。
 
 
娘は行動を始めた時や途中、やり遂げた時にも何か声を掛けられるのは嫌。
 
 
その替わり行動を終えた時に「ママ、〇〇やったよー」と自分で報告しにきます。
 
 
その時に最大限に褒められるのが心地いいらしい、とわかりました。
 
 
例えば、夕飯の準備がそろそろできる時に予告します。
 
 
「ご飯だからYouTubeを終わりにしてね」
 
 
すぐには終わりにしません。それでも同じ指示を間をおいて同じトーンで繰り返します。
 
 
そのうち、気持ちを切り替えられたのか自分で電源を切って、すかさず私の所へ来ます。
 
 
「むーちゅーぶ(YouTube)おわり、したよ!」と誇らしげに報告してくれます。
 
 
 
 
私にとっては大きな気づきで、娘が報告してきたことを最大限に褒めるというオリジナルパターンでいこうと思いました。
 
 
報告の後に褒めると、とても満足そうな表情をしたからです。
 
 
途中で褒めることはせず、娘が自分で報告したい気持ちを尊重するのです。
 
 

◆知的障がいの娘が完璧主義でがんばりすぎだった

 
 
並行して脳について勉強しているうちに、娘には自閉症の傾向が強いことがわかってきました。
 
 
こだわりが強く、見通しが立たないことに不安、ルーティンを好むことなどが該当します。
 
 
こだわりが強い子は「ちゃんとできないとダメ」「理想通りにやりたい」と完璧主義になっていくのです。
 
 
不安の強い面も影響します。
 
 
「求められるレベルまで出来ないかもしれない」「できない自分はダメなのではないか?」の不安から、じゃあ最初からやらないとなってしまうこともあります。
 
 
私には、娘が完璧主義という視点が無かったので、娘の癇癪の原因がわからなかったのです。
 
 
それは、知的障がいがあり筋力が弱い体質の娘は、やろうとする気力が弱くて当たり前、仕方がないものと思い込んでいたからです。
 
 
特性を学ぶことで、娘が「完璧にやらないといけない」と頑張り過ぎているのだと気づくことができました。
 
 
 
 
完璧主義は和らげていくことはできます。
 
 
その子に合わせた褒め方を続けていると、褒められることを素直に受け入れてくれるようになってきます。
 
 
褒めでコミュニケーションが柔軟になってきた感じがあったら、行動を分解して褒めるようにしてみましょう。
 
 
「ここまでできたらマルだよ」と分解した指示出しをすると、行動したプロセスにマルを付けることができます。
 
 
褒められる回数が増えることで自信がついてきますし、認められている安心感が完璧主義の心をほぐしていくのです。
 
 

4.特性を理解することでコミュニケーションがグンとスムーズになる

 
 

今までは「うちの子はダウン症」という捉え方をしていましたが、脳の特性を勉強したことで我が子の行動が理解できるようになりました。

 
 
ダウン症の子どもにも、自閉症の傾向が強い子、ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強い子、両方の傾向を持っている子、それぞれです。
 
 
ママが場面によって、特性を活かしたコミュニケーションをすることでお互いが楽になることができます。
 
 
 
 
良好なコミュニケーションは、子どもに自信をつけられます。
 
 
そして、自信がある子は行動力がアップします。
 
 
指示をしたらすぐにYouTubeを終わりに出来ることがゴールではないですね。
 
 
子どもが自信をつけて自立すること、これがゴール。
 
 
そして、少しずつ変化成長していくお子さんを一番近くで見られるのが、子育ての醍醐味なのです。
 
 
 
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執筆者:北川明希子
(発達科学コミュニケーション トレーナー)
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