言葉が遅い自閉症の子がしっかり質問に答えて、会話ができるようになる方法をお伝えします!自閉症の子に質問してもオウム返しにされて、会話にならないと感じることがありませんか?コミュニケーションの仕方を変えると会話ができるようになるんですよ!
【目次】
1.言葉が遅い自閉症の子と会話ができない!
2.自閉症の子が質問に答えられず会話にならない原因
3.言葉が遅い自閉症の子と会話ができるようになる方法
①肯定的なコミュニケーションを実践する
②質問の難易度を調整する
1.言葉が遅い自閉症の子と会話ができない!
言葉が遅い自閉症の子が質問に答えてくれず、まったく会話にならない!なんて感じることはありませんか?
言葉が遅い自閉症の子でも、脳に届く肯定的なコミュニケーションで耳を開かせ、質問の難易度を調整して理解力をUPさせることで、会話ができるようになるんです!
自閉症の子って質問に答えてくれなかったり、オウム返しになってしまったりすることが多いですよね。
私の息子も質問に答えられず、会話ができない時期が長く続いていたんです。
年長さんの夏まで、何か声をかけても無視、またはオウム返し…
私の言ってることわかんないのかなと、不安や心配の気持ちがある一方で…
「聞いてるんだから答えてよ‼」と不安な気持ちがイライラに変わってしまうこともありました。
そんな状況に悩んでいた私ですが、コミュニケーションを変えたことで、息子にも大きな変化がありました。
なんと、コミュニケーションを変えて3ヵ月後には、特に選択肢を与えなくても、自分で質問に答え、会話ができるようになったのです!
このような感動的な変化をたくさんのママたちにも体験してほしいと思っています。
そのために、必ず知っていてほしい自閉症の子が質問に答えられず会話にならない原因をご説明していきますね。
2.自閉症の子が質問に答えられず会話にならない原因
言葉の遅い自閉症の子が、質問に答えられず会話にならない原因は、聴覚情報の処理が苦手な傾向があるからです。
自閉症の子が質問に答えられないのは、以下のような理由が多いのです。
・質問されている内容が理解できない
・どう答えていいかわからない
・そもそも聞こえていない
このような聴覚情報の処理の苦手さが要因で起こる困りごとのせいで、自閉症の子は質問に答えられず、もちろん会話もできるようになんてならないわけです。
問いかけられた質問が自分に言っているのか分かっていない、そもそも聞こえていないのなら、何かに集中して遊んでいるときなんて、特に聞こえにくいはずですよね。
原因を知れば、子どもが無視したくてしているわけではないことがわかりますね。
また、聴覚情報の処理以外にも記憶を司る海馬との連携が苦手なこともあります。
耳から聞いたことばの情報を長く記憶にとどめておくことが難しく、質問の最初のワードをすでに覚えていないなんてこともあるのです。
様々な原因が考えられますが、ママがやることは、言葉が遅く会話ができない自閉症の子とのコミュニケーションを変えることです。
次に、今日から実践できる!具体的なコミュニケーション方法をご説明しますね。
3.言葉が遅い自閉症の子と会話ができるようになる方法
子どもの耳を開かせるような肯定的なコミュニケーションを実践し、質問の難易度を調整することで、言葉が遅い自閉症の子ともと会話ができるようになるのです!
大事なことは、この方法を普段から実践し、自分の対応として定着させることですよ。
具体的な方法をまとめていますので、ぜひ読んで実践してくださいね。
◆①肯定的なコミュニケーションを実践する
肯定的なコミュニケーションとは…
・褒める
・子どもがしていることに興味関心を示す
・笑顔で、ゆっくりと間を取り、優しい声で話しかける
このような肯定的な関わり、コミュニケーションのことなんです。
自閉症の子に、いつも注意していたり、矢継ぎ早に指示したり、興味のないことばかり話していたりしませんか?
こんな会話ばかりだと、子どもはむしろ話を聞きたくない、積極的にママの話に耳を傾けようとは思えません。
そうなると耳からの情報を処理して、素直に脳に情報を入れることができず、言葉の理解力も上がっていかないのです。
子どもの耳を開かせるには、肯定的なコミュニケーションを8割以上にしていくことが大事です。
また、話を聞けたとしても情報を処理するのには時間がかかるので、話しかけた後は10秒ほど待ってあげましょう。
そもそも聞こえていないときには、同じトーンで何回か同じ質問を繰り返してあげましょう!
肯定的なコミュニケーションを実践できれば、それだけでもかなり効果があるので、子どもの変化にびっくりされると思いますよ。
◆②質問の難易度を調整する
言葉が遅い自閉症の子に合わせた答えやすい質問の仕方をしてあげることが重要です。
質問には難易度があります。質問の難易度を簡単なものから順にならべると…
「Which」(どっち)→(イエス・ノー)→「What」(何?)→「Where」(どこ?)→「Who」(誰?)→「Why」(なぜ?)→「How」(どのように?)
これが質問の難易度の順番です。「イエス・ノー」よりも、「どっち?」の方が答えやすいのです。
質問の難易度を子どもに合わせて調整してあげることで、自分で答えられた!ママと会話ができた!という成功体験を増やしてあげましょう。
もし、これでも答えられないときには、答えを代わりに言ってあげましょう。
そうやって答えればいいのか!と、少しずつ学習していきます。
また、子どもの視界に入って声をかけたり、質問するときに実物を見せてあげると理解しやすく、忘れにくいので答えやすくなりますよ。
言葉の遅い自閉症の子でも会話ができるようになる方法はいかがでしたか?
長期休みなど関わる時間が多いときほど、注意や指示出しが多くなりがちです。
そんなとき、肯定的に関わることが難しいかもしれませんが、ママが自分のご機嫌も上手に取りながら、肯定的なコミュニケーションを実践していきましょう!
子どもと楽しく会話できる日が必ずやってきますよ。
言葉が遅い自閉っ子の癇癪を卒業させて、会話力をどんどん伸ばす対応をお伝えしています!
執筆者:東原あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)