勉強に集中できない子どもは、学習の土台となる「聞く、見る、理解する」のいずれかで学習ストレスを抱えているかもしれません。気が散りやすい原因と学習ストレスを解消する方法を知って、勉強に集中する脳の土台を育てて行きましょう。
【目次】
1.子どもが勉強に集中できない理由
2.集中できない子の「聞く力」を伸ばすしりとりの効果
3.勉強に集中するようになる「聞くトレ」
1.子どもが勉強に集中できない理由
勉強が苦手で集中できない子どもは学習の土台となる「見る、聞く、理解する」のいずれかでストレスを抱えている可能性があります。
現在の日本の学校教育スタイルが子どもに合わず、学習に必要な土台の部分が育たないために、勉強が苦手になり集中できません。
特に、脳の発達に特性を持つ発達障害グレーゾーンの子ども達は「見る、聞く、理解する」の3つの土台の成長バランスがアンバランスなため、いずれかの項目でストレスを抱えています。
勉強に苦手意識をもつ子どもはこの学習ストレスを解消することで、「学習が得意な脳」が育ち、勉強に集中するようになります。
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勉強が苦手なあなたのお子さんにこんな特徴はないですか?
・授業中ボーっとしていることが多い
・話しかけても返事をしないことがある
・聞き漏らしが多い
・周りがザワザワしていると話に集中できない
ここに挙げた特徴は「聞く」ことににストレスを抱えている子どもの特徴です。
「聞く力」が弱いと「理解する」「行動する」脳の回路も弱いために、どれだけ指示を出してもそもそも伝わらない、行動がワンテンポ遅れてしまうんです。
だから一斉指示に従う場面の多い、現在の学校教育が合わず、学習ストレスを抱えて勉強が嫌いになって集中できなくなっていきます。
この記事では、「聞く力」が学習ストレスとなって勉強に集中できない子どもの「聞く力」を伸ばす親子で遊びながらできるトレーニング法について解説していきます。
2.集中できない子の「聞く力」を伸ばすしりとりの効果
トレーニングというと毎日取り組まなきゃと身構えてしまいますが、子どもも喜んでやっているしりとりが「聞く力」を伸ばすトレーニングとしてはとても有効です。
しりとりには「聞く」ことで得られる3つの効果があります。
・言葉を覚えておく力:自分が学んだ言葉を記憶、相手が言った言葉を記憶する力
・言葉を使う力:相手が言った言葉に最適な言葉を使う力
・言葉を整理する力:自分が知っている言葉を整理して最適な言葉を選ぶ力
つまり、相手が言った言葉を聞いて記憶し、自分が覚えている言葉の中から最適なものを引っ張り出して使うという流れで「聞く」「理解する」「行動する」の脳の回路が鍛えられていきます。
毎日コツコツ遊びながら続けていくことで、
・人の話に集中することができる
・話に合った会話ができる
・指示が通りやすくなる
という効果に繋がっていきます。
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そもそも気が散りやすくて集中できない子どもがどうやったら、しりとりを継続してできるようになるのか?
次項で気が散りやすい子も集中して取り組めるしりとりをアレンジしたトレーニング法をご紹介していきます。
3.勉強に集中するようになる「聞くトレ」
気が散りやすく、勉強に集中できない子のためにしりとりをアレンジした「聞くトレ」をご紹介していきます。
しりとりができない子、興味が持てない子にしりとりに興味を持ってもらいたいという願いを込めて私が開発しました。
一般的なしりとりと違って、子どもが好きな言葉で出来るので最後の言葉を決められるのが嫌な子やしりとりのルールがわからない子も取り組みやすいですよ。
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◆「聞くトレ」のルール
①お子さんが好きなことよく知っていることをテーマに選ぶ。
②「聞くトレ」をしながら前に出た言葉をすべて覚えておく。
③自分の番が来たらこれまでに出た言葉を順番に言った後、自分の新しい言葉を追加する。
例)テーマ:果物
子:リンゴ
母:リンゴ、キウイ
子:リンゴ、キウイ、ブドウ
母:リンゴ、キウイ、ブドウ、ミカン
この聞くトレは、お子さんの好きな言葉や知っている言葉を使えることを目的としています。覚えさせようと思わずに、聞くことが大切になっていきます。
ヒントを出し合いながら楽しく取り組んでくださいね!大事なことはお子さんに自信をつけることです。
「よく聞いていたね。」「よく覚えていたね。」 「ママは覚えられなかった。」とお子さんに自信をつける声かけとセットでぜひ取り組んでくださいね。
「聞く力」と自信がセットで育てば、人の話を落ち着いて聞けるようになり、勉強に集中するようになっていきますよ。
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しりとりの効果を知って、気が散りやすい息子と取り組もうとしましたが、その当時息子に、しりとりは「言葉の最後が決められるのが嫌」と言われて取り組んでもらえませんでした。
この「聞くトレ」は子どもの興味があること、よく知っていることをテーマに、思いついた言葉を言えるので楽しく取り組んでくれるようになりました。
今では難易度を挙げてポケモンなどキャラクターの名前を使ったり、単語を長くして恐竜の名前を使ったりして楽しんでいます。
1日5分の「聞くトレ」試してくださいね。
1日5分の聞くトレで子どもの未来を広げてみませんか?
執筆者:山田あき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)