発達障害・ADHDタイプの子どもは、体を動かすことが好きな場合が多いですよね。スポーツなどで体を動かすことは、脳の発達にも大きく影響しています。そこで、発達障害・ADHDタイプの小中学生におすすめのスポーツをご紹介します。 |
【目次】
1.体を動かすことが大好きな発達障害・ADHDタイプの特徴
◆不注意型
◆多動性・衝動性型
◆混合発現型
2.スポーツなどで体を動かすことが脳の発達を加速する理由
3.ADHDタイプの小中学生におすすめのスポーツ
◆水泳
◆武道(合気道・空手)
◆ダンス
1.体を動かすことが大好きな発達障害・ADHDタイプの特徴
発達障害の1つである注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもは、体を動かすことが好きな場合が多いですよね。
それはADHDの3つの特性「不注意」「多動性」「衝動性」と関係しているんです。
これらの特性それぞれの現れ方の強さにより、ADHDは3つのタイプに分けることができます。
◆不注意型
「不注意」の特性が最も強く現れ、多動性や衝動性はあまり目立たないタイプです。物忘れが多い、気が散りやすい、物事に集中できないなどの特徴があります。
おとなしいため、教室の中では目立たず、障害に気づかれにくいことがあります。
◆多動性・衝動性型
「多動性」「衝動性」の特性が強く現れるタイプです。落ち着きがない、授業中に立ち歩く、おしゃべりがやめられないなどの特徴があります。ささいなことでカッとなって友だちと衝突することもあります。
大人からしかられる機会が多く、乱暴な子、反抗的な子という目で見られやすくなります。
◆混合発現型
「不注意」「多動性」「衝動性」のすべての特性がみられるタイプで、ADHD全体の8割を占めるとも言われています。
このうち、特に「多動性」「衝動性」が強い子どもは、活動的で、体を動かすことが大好きです。また、好奇心が旺盛なため、楽しそうなものを見ると、すぐに「やってみたい!」という気持ちになります。
これらの特性を活かし、子どもが「やってみたい!」と思うスポーツをすることで、脳の発達を促すことができます。
では、なぜスポーツなどで体を動かすことが脳の発達を促すのでしょうか。その理由を次の項でご説明します。
2.スポーツなどで体を動かすことが脳の発達を加速する理由
運動系の脳のエリアは、脳の中心を貫く存在で、運動することで脳全体が活性化します。習慣的に運動することは、健康な体をつくるだけでなく、脳全体の発達のためにも、とても重要です。
毎日運動することは、脳の認知機能をアップさせたり、集中力や記憶力も高まるという研究結果もあります。脳の発達を加速すると聞けば、子どもに運動をさせたくなりますよね。
幼児ならお母さんが一緒に公園に遊びに連れて行ったりもできますが、小中学生ともなると、親と一緒に体を動かすのは難しくなってきます。
やはり小中学生に体を動かすことを習慣化させるには、スポーツ系の習い事や部活動が一番ではないでしょうか。
次の項では、発達障害ADHDタイプにおすすめのスポーツをご紹介します。
3.ADHDタイプの小中学生におすすめのスポーツ
発達障害の子どもには、基本的に自分のペースで進められる個人スポーツがおすすめです。
自分のペースを乱されると、集中力が切れたり、イライラして落ち着きがなくなったりする子どもにも安心です。
また、指導も少人数でされることが多いので、コミュニケーションが苦手な発達障害の子どもでも嫌がらずにできるでしょう。
◆水泳
1人でできる上に、習い事の中でも人気のスポーツです。他の人と協力して進めていく必要はなく、複雑なルールもありません。
水中での運動なので、体力のない子どもにもおすすめです。体を左右対称でバランスよく使うので、適切な体の使い方を学ぶこともできます。
ただし、水泳を習う場合に注意したいのが、教室の規模です。大人数の場合、泳ぐのに順番待ちをすることがあったり、コーチの目が行き届かないことがあったりします。なるべく少人数の教室をおすすめします。
◆武道(合気道・空手)
合気道や空手など、「型」のあるスポーツもおすすめです。
これらの武道は、先生のお手本をしっかり見て、自分で動きを正確に再現する必要があるからです。このような動きをくり返すと、脳の視覚系のエリアと運動系のエリアのつながりを強化することができます。
また、ピタっと止まる、動くというメリハリのある体の使い方をするので、考えながら動くという脳のルートも鍛えられます。静止する必要もあるので、本人がいやがらなければ、多動性のある子にもおすすめします。
その上、挨拶などの礼儀作法体も学ぶことが出来ます。
◆ダンス
音楽に合わせて踊ったり、先生のダンスを真似て踊ったりすることがあるため、脳の色々なエリアのつながりが強化されます。比較的好きなように体を動かせるので、ADHDタイプの多動性や衝動性も気になりません。
いかがですか?ここでは、3つのスポーツを取り上げましたが、陸上競技や体操、スポーツクライミングなども1人でできるスポーツです。
また、球技が好きなら、テニス、バドミントン、卓球なども、ごく少人数で行うスポーツなのでおすすめです。どれを選ぶにしても、お子さんが興味を持って、楽しくできることが一番です。
ADHDの多動性、衝動性を利用して、いろいろなスポーツに挑戦してみてくださいね!
ADHDの幼児でもできる運動については、こちらをご覧ください!
パステルキッズの発達についての情報が多数あります
執筆者:佐藤とも子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)