中学生で勉強ができない子は発達障害の特徴あり!親子で取り組むテスト準備のやり方について

 

勉強しない中学生は発達障害グレーゾーンの特徴があるために勉強ができないかもしれません。定期テストの勉強を自分でできるようになるまでは親が伴走し勉強計画を立て、その後の振り返りをするのが大事です。今回は元塾講師がそのやり方についてお伝えします。
 

【目次】

 

1.中学生になって勉強につまづきだす子の特徴

 
 
小学生まではうまくやれていたお子さんも中学生になると、学校生活や勉強につまづいてしまう子がいます。
 
 
「ちょっとうちの子、大丈夫かな?」と思う背景にはまだ気づいていないお子さんの特性が影響しているかもしれません。
 
 
中学校では定期的にテストがありますが、「わが子は大丈夫かな?」と心配しているお母さんのお子さんは、なかなか勉強にも身が入らないのが現実ではないでしょうか?
 
 
そんな状態なのに定期テストだなんて!と気が遠くなりますよね。
 
 
・お母さんが何度声をかけても、勉強するそぶりすら見せない。
 
・やっと勉強するかと思ったら、カバンの中をごそごそしたまま一向に教科書やノートが出てこない。
 
・ようやく教科書やノートが出てきたと思ったら、該当のページを開くのに時間がかかる。
 
・該当のページを開いても、ぼーっと眺めている。
 
・やっと勉強が始まったか!と思った瞬間に、別のことを始めている。
 
 
 
 
このように、勉強へのやる気のなさ、準備や段取りの遅さ、集中力のなさ、勉強時間の短さに焦りや不安、お子さんへの怒りを感じていらっしゃる方はとても多いと思います。
 
 
今まで気づくことがなかったけれど、もしかしたら発達障害・グレーゾーンの特性を少なからず持っているかもしれません。
 
 
もしそうならば、とにかく「勉強しなさい!」と声をかけ続けているだけでは、お子さんは勉強をすることはありません。
 
 
なぜならば、発達障害・グレーゾーンの可能性があるお子さんが定期テストを乗り切るためには「テクニック」が必要だからです!
 
 
では今の状況をどう変えたらいいのか?について解説していきます。
 
 
 
 
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2.発達障害・グレーゾーンの中学生は定期テストの準備の仕方が分からない

 
 
中学校以降の定期テストは小学校とは大きく変わってきます。学校によって異なる部分があるかもしれませんが、
 
 
・中間テストは5教科、期末テストは9教科まとめて実施される。
 
・とにかく教科数が多くて、勉強する範囲が広い。
 
・定期テスト前は部活がお休みになる。
 
・テストだけでなく、教科によっては提出物があることも。
 
 
などが、大きな違いとして挙げられます。
 
 
この「定期テスト」の特徴が、発達障害・グレーゾーンのお子さんにことごとくマッチしないことに気づいていますか?
 
 
先を見通したり、段取りを立てたりするのが苦手なので、勉強範囲が広ければ広いほど、何から手を付けていいか分からない。
 
 
勉強しなければいけないと分かっているけれど、衝動的に好きなもの・気になるものに飛びついてしまう。
 
 
「今やりたいこと」や目の前のご褒美につられてしまうので、部活が休みになっても勉強できない。むしろ部活が休みになるから好きなことに集中したくなる。
 
 
不注意が強い子は、テスト範囲のプリントを隅々まで読みきれず、提出物の指定に気づけない。
 
 
そして…
 
 
中学校に入学したら定期テストがあるということは知っていても、どんな風に準備していくかを教えてもらった方は少ないはず。
 
 
正しいやり方を教えてもらっていないのに、「こんな感じかな」と想像して進めていくのって、発達障害・グレーゾーンの子にはかなり難しいですよね。
 
 
 
 
だから、ただ「勉強しなさい!」と声をかけ続けても、勉強しないんです。
 
 
だって、何から勉強したらいいか分かんないんだもん。
 
だって、せっかく部活が休みなんだからゲームしたいもん。
 
そもそも、テスト範囲がどこか忘れちゃったし。
 
 
お子さんのこんな声が聞こえてきそうですよね。
 
 
では、どのように対応したらいいのでしょうか?
 
 
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3.定期テストは計画票の段取りと振り返りが大事

 
 
私が塾講師時代に出会った中高生の中で、ごくわずかですが、「勉強しなさい」で勉強できる子がいました。
 
 
彼らに共通するのは、成績がいいことではありません。「段取り」をする力を持っていることでした。
 
 
具体的には、
 
 
・定期テストの日程と範囲が発表されたらすぐに報告し、テスト範囲や自分の苦手分野に合わせた授業をリクエストしてくる。
 
 
・部活が休みの期間は授業を増やしたり、自習室を予約したりする。テスト実施期間中は教科に合わせて授業を変更する。
 
 
塾の宿題をテストの提出物に替えてチェックしてほしいとリクエストして、塾の宿題の負担を減らしながら、提出物を忘れずに確実に仕上げられるように塾を利用する。
 
 
・テスト範囲が網羅できるように、必ず計画を立てている
 
 
・自分の苦手な教科・得意な教科を踏まえた計画になっている
 
 
などです。
 
 
成績が同じぐらいでも、このように段取りを作って進めていける子は、後から必ず成績が伸びました。
 
 
 
 
テスト勉強の範囲が広いから、とにかくやみくもに勉強時間を増やすことが得策ではありません。
 
 
テスト勉強を始める前に、こういった段取りをしておけるかどうか?で勉強のはかどり方が全く違ってきますよね!
 
 
このことに気づいてから、テスト発表があったら必ず計画を見せてもらったり、授業の変更を提案したりすることにしていました。
 
 
授業の変更などは手続きを忘れさえしなければ特に問題はなかったのですが、問題は計画の方!
 
 
・テスト範囲がずれている
 
・計画に入れ忘れている教科がある
 
・勉強時間が明らかに多すぎる
 
・苦手科目を中心に据えすぎて、他の教科が網羅できていない
 
・塾やほかの習い事、睡眠時間など生活リズムを考慮していない
 
 
など、「これは1日でとん挫しそうだ…」と思ってしまう計画が山のようにありました。
 
 
中学生の段階で、自分の得意・不得意、生活リズム、本当に勉強できる妥当な時間などを考慮しながら、短時間で計画を立てることはかなり難しいと言っても過言ではありません。
 
 
もちろん、まずは自分で計画を立ててみることは、「先を見通す力」の発達にとても役立ちます。
 
 
でも、立てた計画をだれもチェックしないのは絶対にNG!ほぼ確実に計画が無駄に終わってしまうので、勉強は進まないし、自信はなくなるし…といいことは一つもありません。
 
 
そこで、お母さんの出番です!
 
 
計画を立てるときのポイントを知って、お子さんをサポートしてあげましょう。
 
 
 
 

4.元・塾講師が教える!段取り力がつく母親伴走型のトータルサポート術

 
 
中学生になったからといって、お子さん1人に任せてしまわず、1人で段取りよく進めるようになるまでお母さんは伴走しながらサポートしていきましょう!
 
 
今回は短い期間で複数の科目を勉強しなければならない定期テストについてですが、計画には3つのステップがあります。
 
 
STEP1が最低限の計画ですが、発達障害・グレーゾーンのお子さんは、「やることが瞬時にわかる」STEP3まで立てるのがおすすめです!
 
 

◆STEP1:テスト範囲は一通り復習。提出物を確実に仕上げる計画

 
 
まず、当たり前のようで意外と抜けてしまうのが、テスト範囲や提出物をチェックし、範囲を一通りは復習できるように計画を立てること。
 
 
テスト範囲も、提出物も、見落とさないようにすることです。
 
 
 
 
実は、中学生でもこの段階でつまづく子がとても多いのが現実です。不注意からか、スマホの拾い読みに慣れているからか、テスト範囲のプリントの見落としが多いんですね。
 
 
お母さんがチェックする際は、お子さんが立てた計画と配布されているプリントをしっかり見比べて、漏れがないか見てあげてくださいね。
 
 

◆STEP2:子どもの得意と苦手を考慮した計画

 
 
STEP1で作った最低限の計画は、言わば「同じ学年の子ならだれでも使える」汎用性のある計画です。
 
 
ここから、お子さんの得意・不得意を考慮した、オンリーワンの計画にブラッシュアップさせます。
 
 
よくあるのが、不得意科目の点数をあげたいからといって、時間を多く取りすぎてしまうこと。これは、計画がとん挫する原因になりやすいんです。
 
 
発達障害・グレーゾーンのお子さんは、苦手なものになかなか取り組めないですよね。
 
 
また、取り組んだとしても、苦手なことは、集中力ややる気を欠いてしまいます。時間がかかりやすいので、勉強全体がなかなか進まなくなってしまうんです。
 
 
苦手をフォローしたいお気持ちは分かるのですが、時間を割いても結果につながりにくいのが苦手教科です。
 
 
 
 
典型的な文系人間の私は、大学入試の時、受験科目として「生物」を一生懸命勉強していたのですが…当日思い付きで受けた「現代社会」の方が30点以上よかったという経験があります。
 
 
がんばって勉強しても、得意科目に勝てる可能性はすごく低い!というのを身をもって体験しました。
 
 
ですから、時間のかけすぎには要注意!得意科目の邪魔をさせないでください。
 
 
まずは、勉強全体が進むように、毎日得意科目からスタート!
 
 
苦手な科目と得意な科目を交互に取り組んで、気分転換できるようにしておくのもおすすめです。
 
 
苦手な科目は、ひとまず提出物を完璧にしておこう、ぐらいの気持ちでいてください。
 
 

◆STEP3:やることが瞬時にわかる計画

 
 
計画をたてる際にはどの科目の、どこを、何を使って勉強するのかここまでしっかり計画しておきましょう。これで「今日は英語か~なにやろっかな~」と考える時間をカットできます。
 
 
〇月〇日 英語:教科書 Lesson4とLesson5
        ワーク 10~15ページ
        ①提出物を仕上げる
        ②単語を覚える
        ③教科書を訳す
 
 
このように、計画といってもただ勉強する科目を決めるだけではなく、教科書やワークのページや具体的に勉強する内容を計画して、計画表を見れば、すぐに勉強が始められるようにしておくことが重要です。
 
 
この作業をおすすめするもう一つのメリットは、テスト範囲が本当に確実に網羅できるのか、STEP1のチェックができることです。
 
 
あれ?時間が足りなーい!となったらどうしたらいいか?
 
 
計画全体の見直しも必要ですが、お子さんの能力を超える計画を作っても無駄に終わるだけです。
 
 
まずすべての教科の提出物を確実にクリアし、得点が取れる得意科目に時間を割きましょう。そして、次回からはテスト勉強をもう1週間前倒しで始めることを検討してください。
 
 
テスト範囲が発表されていない時期から勉強をスタートすることになりますが、その辺りは問題なし!
 
 
前回のテスト範囲の次のところからが次回のテスト範囲です。
 
 
ですので、テスト範囲が書かれたプリントは保管しておくのがオススメ!万が一なくしてしまったときも、担任の先生にお願いすれば教えてもらえるはずです。
 
 
習ってから時間がたっている単元は、忘れている可能性が高いです。部活動が休みになる前から、この単元の復習を始めることはとても意義があることだと思います。
 
 
 
 
部活が忙しくても、スキマ時間を使って英語の単語や国語の漢字、数学の公式をピックアップすることはできるはずです!
 
 
こうして、ただ今回のテストの計画を立てるだけではなく、次回に必ず生かすことで、お子さんのオリジナル計画がどんどんブラッシュアップされていきますよ!
 
 
いかがでしたか?
 
 
「勉強しなさい!」で勉強できないなら、勉強できるように段取りを整えてあげることからスタートしましょう!
 
 
そして、
 
テストでうまく行った!
テスト勉強頑張れた!
 
という成功体験を作ってあげることが大切です。
 
 
「頑張ったらうまくいった」という経験は、自分に期待することに繋がり、どんどん前に進むことができるんです。
 
 
「勉強、頑張ってるね!」
「今○○やってるんだね!」
「もうこんなところまで進んだんだね!」
 
 
励ましたり、褒めたりしながら子どもが少しでも気持ちよく、勉強が進められるようにサポートしていきましょうね!
 
 
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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