娘は現在、小学校1年生になります。発達障害の診断はありませんが、学校で声が出せないようです。娘への対応として、障害として捉えたら良いのか、おとなしい性格ということもあり個性のひとつとして見守ったら良いのか悩んでいます。どうしたら良いでしょうか?
6歳・女の子のママ
学校で声が出せないということで、お母さんは対応に困りますよね。私もどのように寄り添えばよいか迷子になった経験があります。色々実践した中で一番の良い効果をもたらせた対応をお伝えします。
発達科学コミュニケーションリサーチャー みずおち梨絵
【目次】
1.発達障害なの?学校や幼稚園で声が出せない子ども
2.娘の対応に困り迷走した時期
3.障害を個性と捉えるのは危険!広い視野で捉えての対応が鍵
◆①話せないことだけに注目しない
◆②自閉症スペクトラムへの対応を参考にする
1.発達障害なの?学校や幼稚園で声が出せない子ども
みなさんのお子さんは、幼稚園や学校生活を楽しんでいらっしゃいますか?
時々、幼稚園や学校でなかなか話すことができないという話しを耳にします。家ではよく話すのに一歩外へ出ると声がでなくなってしまう状態のお子さんがいるのです。
おとなしい子だから、この状態もこの子の個性だろう!
いや、障害として対応してあげるべきなのかな?
もしかしたら発達障害だったりするの?
と、当事者の親御さんは寄り添い方に迷子になっている人も多いのです。
おとなしいだけの子どもなら、幼稚園や学校で少し時間が経てば必ず家と同様に話すことができるようになります。しかし、なかなか自分の思うように話せないお子さんへは適切な対応が必要になるのです。
「かんもく」という言葉をご存知ですか?幼稚園や学校など、社会的緊張を感じる場所では声が出なくなったり、体が動かなくなったりする症状のことをいいます。
全員がそうではありませんが、なかなか声を出せないお子さんの場合にはその症状を視野に入れて対応してあげることが良いと思います。
今回は幼稚園や外で、思うように声が出せない娘の対応に悩んだ私が、自分の経験を踏まえて効果的に寄り添うことができた方法をお伝えします。
2.娘の対応に困り迷走した時期
ここで私の娘の話をさせてください。私には小学校1年生になった娘がいます。とてもおとなしい性格の女の子です。
それでも家では子どもらしく、大きな声ではしゃいだり笑ったりする子です。しかし、一歩外へ出ると話しをしなくなってしまうのです。
話をしなくなってしまうというよりは、できなくなってしまうと表現する方がしっくりきます。
どこか表情も無表情で、顔が強張っているような印象でした。家ではあんなにはしゃいだりしているのに、どうして外へ出ると話さないのかな?ととても不思議に思ったことを思い出します。
個性のひとつかな?発達障害の傾向があるのかな?
そんな中、娘の入院先で出会った保育士さんから「かんもく傾向」という言葉を初めて言われました。その言葉に出会ったことで、悩んでいた娘への対応方法に結びついたと思えた瞬間でもありました。
しかし、かんもくへの対応はネット検索でもそんなに多い方ではありません。しかも専門的に相談ができる機関もほとんどありません。
症状はわかったけれど、一体どう対応してあげたらいいの?という状態でした。どんなに探しても有効な対応策は見つけられないまま時間だけが過ぎていく日々を過ごしていました。
私は、症状名の「かんもく」という言葉に囚われてしまい、なかなか有効な対応策が見つからなかったのですが、視点を変えたことで目の前の課題が一気に開けてきたのです。
その方法を次項でお伝えしますね。
3.障害を個性と捉えるのは危険!広い視野で捉えての対応が鍵
おとなしい性格だからとそれも個性と思って、何も対策をしないのはとても危険です。結果として、個性の一部となれば良いですが、今できることはしっかり対応してあげたいですよね。
そこで有効な視点を2つお伝えします。
◆①話せないことだけに注目しない
子どもに対して、ひとつの困りごとだけに注目しないことです。ここでは、話せないという事実だけに注目しないように気をつけてくださいね。
必ず、話せない理由が存在するはずです。どんな困りごとにも、表面上見えている行動の裏には理由が必ずあるはずです。その裏を知るために、子どもと話したり、子どもをじっくり観察したりすることが重要です。例えば、
・どこで話せなくなるのか?
・どのようなときに声が出せているのか?
・場所や人により変わるのか?
などです。
そうすることで、お子さんを話せなくさせている原因が見えてくることがあります。
◆②自閉症スペクトラムの子どもへの対応を参考にする
学校で話せないなどの傾向のあるお子さんは、不安や緊張が強いことが多くあります。発達障害の診断があるかないかは関係ありません。
そして、「かんもく」というのを前提に対応を調べようとすると、どうしても情報量が少なくなりがちです。その情報が少ない中から我が子に合う有効策を見つけるのは至難の技です。
それで一番、似たような心理状態で情報量が多いのは私の経験上、自閉症スペクトラム(ASD)の対応を参考にすることがとても有効でした。
ここではASDに関することは書きませんが、不安が強いことが特性のひとつとして有名です。そこをうまくお子さんに合うようにいいとこ取りをすることをお勧めします。
不安障害とも言われることもあるのですが、ASDへの対応を応用することで、狭くなりがちな視点を広く捉えることができます。
例えば、
・コミュニケーションが苦手なことへの対応策
・初めてのことが苦手で慣れるまでに時間がかかることへの対応策
・不安が強いことへの声がけや対応策
書籍でもそのような部分を参考にすると、学校や幼稚園で話せないお子さんへの対応を効果的に行うことができます。
前項でもお伝えしましたが、困っていることにばかり注目すると必ずどこかにズレが生じてきたりするものです。
私はとても視野が狭いので、対応する上でどうしても困っていることばかりに目を向けていましたが、ASDへの対応を参考にしたことで、今では娘が小学校で声を出せています。入学したばかりですので、私の方が娘の変わりように驚いたくらいです。
発達障害?個性?何か違う障害?悩むときには、何もしないのではなく、早めにお子さんの様子や性格に合わせた対応していくことが大切です。
私も娘への対応を通して、広く物事を見ることの大切さを教えてもらいました。
症状に関わらず、広い視点を持って対応していきたいですね。皆さんのお子さんにも、ピッタリ合う対応策が見つかりますように!
かんもく傾向のあるお子さんへの有効策は、こちらの記事でも紹介しております。あわせてチェックしてみてくださいね。
かんもくへの有効な対応策をお伝えしています!
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)